
バックカントリースキーとは?必要な道具や安全に楽しむ手順のまとめ 2023.03.04 バックカントリースキー
ここ数年、スキー好きな人たちの間でますます人気が高まっている「バックカントリースキー」をご存じですか?
雪山を自分の足で登りスキーで滑り降りるアクティビティで、その達成感と爽快感にハマる人が続出しています。
「ゲレンデを滑るだけでは物足りない!」「人のいない広々とした雪原を思いっきり滑り降りたい!」という、スキー場からワンランク上の楽しみ方を探している人にもおすすめです。
そこで今回は、「バックカントリースキー」をテーマに必要な装備や服装、安全に楽しむための基礎知識などをご紹介!併せて、初心者が入門するのにぴったりなバックカントリーツアーを全国からピックアップします。積雪状況によりますが、5月下旬まで開催しているツアーもあるので、今年中にデビューしたい!という人もまだまだ間に合いますよ。
【目次】
■バックカントリースキーとは?
■バックカントリーが楽しめる時期
■安全にバックカントリースキーを楽しむために
■バックカントリースキーの服装や必要な道具
■バックカントリースキーツアーの流れ
■初心者でもバックカントリースキーを楽しめるツアー
- 少人数制バックカントリーツアー|群馬県
- 【COLUMN】バックカントリー好きならきっとハマる!スノーシュー
- 乗鞍パウダーでバックカントリーデビュー|長野県
- 講習会とプチBCのセットで初心者も安心|北海道
- 【COLUMN】もっともっと自然を楽しみたいなら歩くスキー!
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バックカントリースキーとは?
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「バックカントリースキー」は直訳すると「裏山スキー」という意味で、整備されたスキー場ではなく自然の雪山を滑るアクティビティです。リフトのない山の斜面を登って滑り降りるため、体力が必要となります。また、装備品も通常のスキーやスノーボードとは異なり、専用の道具なども必要です。
説明だけ聞くとハードルが高いように感じてしまいますが、ゲレンデでスキーのコントロールができれば、上級者でなくてもガイドが同行するツアーに参加可能。冬山の美しい景観と、山を滑り降りる爽快感をぜひ体感してみましょう。バックカントリースキーの魅力を一度味わえば、あなたもきっと雪山の虜になってしまいますよ!
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バックカントリーが楽しめる時期
バックカントリーができる時期は冬がメインだと思われがちですが、そんなことはありません!場所によっては秋から初夏まで、なんと1年のうち半分という長い期間でバックカントリーを楽しめます。
雪の多いシーズンの場合、北海道や富士山、立山などでは11月中旬ごろから滑走が可能です。そして春になると多くのスキー場がクローズしますが、バックカントリーは違った魅力を持つ新シーズンへと突入!寒さが緩んで登山しやすくなるだけではなく、気候に合わせて雪質が変わるため、この時期ならではの滑りが味わえます。
日光で解けた雪がつくりだす薄いフィルム状の氷の層‟フィルムクラスト”は、ターンのたびに薄氷が割れる小気味良い音を楽しめるバックカントリースキーヤー垂涎の雪質。さらに気温が上がることで雪が氷の粒状になる‟ザラメ雪"は、コツをつかめば意外と滑りやすく、パウダーライディングにも似た感覚を味わえます。
バックカントリーの魅力を存分に満喫したいなら、冬だけではなく春~初夏の時期も滑ってみましょう!
安全にバックカントリースキーを楽しむために
バックカントリースキーはゲレンデとは違い、パトロールスタッフもいない大自然の雪山で行うアクティビティ。たとえゲレンデの滑走に慣れていても、個人でバックカントリーに行くのはとても危険です。
雪山では急な天候の変化が多く、雪に覆われた山の地形はわかりにくいため、何が起こるかわかりません。安全に滑れるポイント選びや万が一雪崩が起きたときの対処法など、一般のスキーヤーでは判断が難しいことが多々あります。
だからこそおすすめしたいのが、そのフィールドに精通したガイドが同行するツアーへの参加です。バックカントリースキーのガイドは、参加者が滑走を満喫できるよう上手にバックアップしてくれる頼もしい存在。雪山の情報と専門的な知識で、ツアーの参加者のレベルに合わせたコースを楽しませてくれます。
自分は経験者だから大丈夫!という過信は禁物。上級者用のツアーも各地で開催されているので、たとえ経験者であっても安全を第一に考え、ツアーに参加するよう心がけましょう。
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4.バックカントリースキーの服装や必要な道具
ここからは、バックカントリースキーをはじめるための準備を紹介します。服装や装備、食料など、雪山で行動する状況ならではの道具が必要になりますので、ぜひ参考にしてください。
また、参加するツアーによっては当日必要なものをリストアップしてくれるので、しっかり確認して忘れずに準備しておきましょう。
服装
まず前提として、脱ぎ着しやすい服装を用意することが大事です。ゲレンデと違い、山を登って汗をかくことも多いバックカントリー。そのままでいると不快なうえ、体を冷やしてしまう可能性があります。前面にジッパーがついていて、行動中でも容易に脱ぎ着できるものを選ぶようにしましょう。
素材は速乾性の高い化学繊維(ポリエステルなど)のインナーウェアに、軽量で保温性のある中間着(フリースなど)、アウターにはスキーウェアなど風や雪を防げる服を着るのが適しています。綿素材の服を着ていると、山を登るときに汗をかいたまま乾きにくく、山頂で体を冷やしてしまう恐れがあるので避けましょう。
ほかにも防寒のためスキー用のグローブや帽子、日差し対策としてゴーグルやサングラスを用意するのがおすすめです。
必要な装備品やアイテム
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雪山を登って滑るためには、専用の装備や登山アイテムが必要です。山を登る際には足に「スノーシュー」や「アイゼン」を装着したり、スキーの裏側に「スキーシール」を装着したりします。
また「雪山に入るための三種の神器」といわれる「ビーコン、ゾンデ棒(プローブ)、スコップ」は、万が一同行者が雪崩に巻き込まれた場合のレスキューに必要なアイテム。安全講習に参加して、使い方を学んでおきましょう!
これらの装備品やアイテムは一度に買いそろえようとすると高額になりますが、バックカントリースキーのツアーなら無料レンタルもあるので安心です。ツアー参加前に予約が必要な場合もあるので、事前に確認しておきましょう。
そのほかにあると便利なもの
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行動の途中に休憩をとって腹ごしらえをする場合は、つまみやすいサンドイッチなどの軽食がおすすめ。ほかにも小腹が空いたときに食べられ、糖分の補給ができる飴やチョコレートなどの嗜好品も用意しましょう。
低温の環境では水分が凍ってしまう可能性があるので、水筒は保温性のものを用意してください。水筒に温かい飲みものを入れて持っていけば、水分補給になるとともに体が温まる効果が期待できます。
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バックカントリースキーツアーの流れ
はじめてのツアーでも慌てないように、バックカントリースキーのツアーがどんな流れで行われているのかをチェックしておきましょう。
ゲレンデスキーにはないバックカントリースキーならではの作法があるので、あらかじめ把握しておくことが大事です。
雪山に入る前のトイレ・準備運動
スタート地点では、必要な装備品やアイテムがそろっているかを確認し、ストレッチなどの準備運動を行います。また、行動中に用を足すのが難しい場合があるので、雪山に入る前にトイレを済ませておきましょう。
ツアー参加時のチームメイトやガイドとは、当日長い時間を過ごす仲間となります。スタート時からコミュニケーションしやすい環境を作っておくのがおすすめです。
安全講習で道具の使い方を学ぶ
はじめてバックカントリースキーに挑戦するなら、初心者向けバックカントリーツアーに参加して基本的な知識を身につけましょう。
安全講習ではビーコンの使い方やレスキューの方法、雪の状態のチェックなど、バックカントリースキーで大切なことを学びます。わからないことがあったら、遠慮せずにガイドに質問しておきましょう。命に係わる事態が発生することもあるので、一人ひとりがしっかり基礎を学ぶことが何よりも大切です。
ハイクアップで山頂を目指す
いよいよスノーシューやスキーシールを装着し、バックカントリーエリアへハイクアップ(雪山を登ること)開始!参加者の体力やペースに合わせて、ガイドがチームを先導してくれます。
ゲレンデとは違いリフトを使わず、深雪の中を自力でハイクアップする体験もバックカントリーの楽しみの1つ。ときには立ち止まり、周りの景色や自然を眺めて雪山を満喫してくださいね!
最高の時間!雪山を一気に滑り降りよう!
バックカントリースキーで一番楽しくて興奮する瞬間が滑走です!圧雪されていない大自然の雪原を一気に滑り降りていきましょう。
タイミングが良ければ、まっさらなフカフカのパウダースノーでの滑走も楽しめます。まるでサーフィンで波に乗っているような浮遊感をとことん味わってみてください。
目の前に広がる大自然の景色と、滑走の開放感は手つかずの雪山ならでは。普段のゲレンデとはまったく違う体験なので、一度味わうとクセになってしまうこと間違いナシです。
格別の味を満喫!アウトドアランチ
1日ツアーのような長時間滑走するツアーの場合は、途中でランチタイムをとる場合があります。大自然の景色を目の前に、雪山の中で食べるアウトドアランチは格別の味!雪のテーブルで即席のランチスペースを作って、チームのみんなとおしゃべりをしながら、絶景の中ですてきなランチタイムを過ごしましょう。
また滑走中は暖かくても、動いていないときは体が冷え込んでしまいがち。ランチの際は、しっかり温かいの飲みものを用意して体を冷やさないようにしましょう。ランチ後に滑りはじめる際は、あらためて準備運動をするのを忘れずに!
初心者でもバックカントリースキーを楽しめるツアー
バックカントリースキーを楽しむ雪山は、魅力とともにリスクと背中合わせの世界でもあります。自然の厳しさを理解せずに雪山へ入るのは危険がいっぱい。
一般のスキーヤーやスノーボーダーにとって、すぐに専門知識を習得するのは難しいので、まずはガイド同行ツアーに参加し、プロのサポートを受けながらバックカントリーを楽しんでみましょう。
ここからは全国で開催されているツアーの中から、初心者が参加しやすいおすすめのツアーをご紹介。バックカントリーデビューを考えているなら、ぜひ参考にしてください!
少人数制バックカントリーツアー|群馬県
「冒険小屋」が開催する“バックカントリービギナーツアー”は、群馬県と新潟県を中心とした広大なバックカントリーエリアの中から積雪状態を判断し、その日ベストなフィールドへ案内してくれるツアーです。新潟県の神楽峰エリアであれば、5月中でも滑走できることも。GWにバックカントリーに挑戦したい!なんて要望も叶います。
ツアーは少人数制で、参加者のレベルに合わせて進んでいくのがうれしいポイント。自分のペースでゆっくり学んでいけるので、初心者でも安心して参加できます。また圧雪されていない雪の滑走が苦手という人には、非圧雪ゲレンデでのレクチャーにも対応。少人数制ならではの行き届いたサービスが大きな魅力です。所要時間は約8時間。午前中はレクチャーとハイクアップがメインとなりますが、午後からは存分に爽快なパウダーランが楽しめます。
ちなみにツアー参加者は、専用ゲストハウスに3,000円(1名)で前泊が可能です。集合場所もゲストハウスなので、朝余裕をもってツアーに参加したい人はぜひ利用してください。
- 群馬県利根郡みなかみ町綱子57
バックカントリー好きならきっとハマる!スノーシュー
スノーシューは、バックカントリー好きの人にぜひ体験していただきたいおすすめのスノーアクティビティ!スキーだと雪山の中を颯爽と滑り降りてしまうため、風景をじっくり楽しんだり、立ち止まって野生動物の足跡を探したり…なんてことはできませんが、スノーシューならそういったこともバッチリ満喫できます。
‟西洋かんじき”とも呼ばれる器具を足に装着し雪原を歩くスノーシュー。ふかふかのパウダースノーが積もっているような場所では、雪に足がとられてしまい自由に歩けませんが、スノーシューを装着していれば足が沈むことなくサクサク進めます。
栃木県で活動する「NAOC(ナオック)」では、奥日光の雪山を舞台にした“奥日光 スノーシュー&スノートレッキング”をはじめ、原生林をのんびり散策できる“奥日光スノーシュー1日コース”や、雲竜渓谷にある巨大な氷瀑が見られる厳冬期限定の“《アイゼン使用》雲竜渓谷スノートレッキング”など、バラエティーに富んだスノーシューのツアーを開催。バックカントリースキーだけではなくスノーシューにも挑戦して、雪山の魅力を余すところなく堪能しましょう!
- 栃木県日光市本町3-11 NAOC日光ベース、東武日光駅またはJR日光駅、ZEN RESORT NIKKO、湯本温泉周辺(ツアーにより集合場所は異なる)
乗鞍パウダーでバックカントリーデビュー|長野県
「極上のパウダースノーでバックカントリーの魅力を体感したい!」と思ったら、「リトルピークス」が開催している‟バックカントリー入門コース”がおすすめ!未経験者から参加できる初心者向けのツアーでありながら、本州屈指の軽さを誇る‟乗鞍パウダー”で爽快感あふれるバックカントリーをたっぷり堪能できます。
ツアーは車で標高1,500m地点まで移動するところからスタート。さらにスキー場のリフトに乗って、標高2,000mまで登ります。その後、実際に装備品を確認しながら約1時間かけてしっかりと講習を受け、いよいよ登山スタート!参加者のペースに合わせて進めてくれるので、美しい雪山の風景を眺めながらゆっくりハイクアップを楽しみましょう。
約2,450mの地点まで登ったら、いよいよドロップイン!目の前に広がる真っ白な乗鞍高原に向かって思いっきり滑りこみます。ターンするたびに粉雪が舞い上がり、日光を受けキラキラと煌めくようすは最高にきれいです。
耳に聞こえてくるのは、板が雪を削る音と風音ばかり。人がいない手つかずの自然の中で滑る開放感を思う存分に楽しめるツアーは、バックカントリーにハマるきっかけとなること間違いナシです。
- 長野県松本市安曇鈴蘭 乗鞍観光センター
講習会とプチBCのセットで初心者も安心|北海道
スノーアクティビティの本場、北海道でバックカントリーデビューしたいと思ったら「TAC(タック)とかちアドベンチャークラブ」が開催している“初心者BC講習会+プチBCツアー”に参加してみましょう!
午前中は講習、午後は実際にフィールドに出て滑走をする約6時間のツアー。どちらもたっぷりと時間をとってあるので、バックカントリー未経験者でも自分のペースでゆっくりと進めていけます。
しっかりと講習を受け、ランチタイムのあとはいよいよハイクアップ&バックカントリーのスタート!滑走ポイントまで雪が深い場合は、歩きやすいようにスノーシューを履いて移動するので雪道に慣れていない人でも安心です。
教わった注意点やコツを念頭に置きながらいざドロップイン!フワフワの新雪を巻き上げながら、誰もいない雪原へと滑り出す気持ち良さはバックカントリーの醍醐味です。ぜひ雄大な十勝のフィールドを舞台に気分爽快な滑走を楽しみましょう!
- 北海道上川郡新得町字屈足539-21 とかちアドベンチャークラブ クラブハウス
もっともっと自然を楽しみたいなら歩くスキー!
歩くスキー(スノーランブラー)は、スノーシューと同様に雪山をじっくり散策できるアクティビティの1つ。専用のスキー板“スノーランブラー”を装着すれば、滑ったり登ったりと自由に雪上を移動できるため、スノーシューよりもさらに行動範囲が広がるのが特徴です。
北海道のニセコで活動する「Forestrek(フォレストレック)」では、パウダースノーに覆われたニセコの森を歩くスキーで散策する“ニセコ スノーランブラーツアー”を開催中。完全貸切のオーダーメイドツアーとして人気を呼んでいます。
ひとたび森の中に足を踏み入れれば、雪と木々がつくりだす白銀の世界に感動!何もないように見えますが、動物の足跡、冬に芽を出す植物など、目を凝らせば生命の息づかいがそこかしこに見つけられます。フィールドに精通したガイドの解説に耳を傾けながら、サクサクと雪原散策を楽しみましょう!
1ツアー3名までと少人数制のため、参加者全員にきめ細やかな配慮をしてもらえるのもうれしいポイント。小学5年生から参加できるので、友達同士やカップルはもちろん、ファミリーでの参加にもおすすめです。
- 北海道虻田郡ニセコ町元町77−10 道の駅「ニセコビュープラザ」
まだまだ間に合う!今年こそはバックカントリーデビューをしませんか!?
手つかずの雪山を滑走する爽快感、そしてスキー場で滑るよりもより深く感じられる大自然との一体感!バックカントリースキーは、雪山をもっと満喫したい人の要望にしっかり応えてくれる魅力にあふれています。
とはいえ、気づけば季節は春。デビューするなら来年かな…なんて口惜しさを感じている人も安心を!今回紹介したツアーのように、5月中もバックカントリースキーのツアーが開催されているエリアがあるので、まだまだ滑れるチャンスが残っています。
アウトドアレジャーの予約サイト「SOTOASOBI(そとあそび)」では、ほかにも全国のバックカントリースキーツアーを紹介しているので、ぜひ参考にしてバックカントリースキーデビューを果たしてください!
(*2019年11月2日に公開された記事を再編集したものです)
※掲載されている情報は公開日のもので、最新の情報とは限りません。
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