川でのアクティビティを支えるリバーガイドの仕事まとめ【SOTOASOBI職業図鑑】 2019.05.15 ラフティング 水上(みなかみ)
山、海、川…自然を舞台に、さまざまな遊びを体験できるアウトドアレジャー。
自然がつくりだした唯一無二のフィールドで楽しめるアウトドアレジャー体験の裏には、その自然を知り尽くし、最高のツアーを提供するべく日々技を磨くアウトドアガイドやインストラクターの存在があります。
そんな“そとあそび”に携わる仕事人に迫る【SOTOASOBI職業図鑑】の第1弾は、「リバーガイド」。
都会でのバイト生活を経て、数々のリバーアクティビティを体験できる群馬県のみなかみ町に移住した小柿剛(こがきごう)さんに、リバーガイドの仕事やライフスタイルをお聞きしました。
小柿さんは現在、みなかみの老舗アウトドア会社である「マックス」でマネージャーを務める、みなかみにおける川遊び界のレジェンド。20数年のキャリアを積んだ先達です。
常に喜びを感じられると断言するリバーガイドの仕事、ぜひその魅力にふれてみてください。
【目次】
■リバーガイドの仕事とは?
■リバーガイドの魅力は?
■リバーガイドになるには?
■リバーガイドに向いているのはどんな人?
■リバーガイドの雇用形態と報酬事情は?
■リバーガイドの暮らし
■リバーガイドは常に喜びを感じられる仕事!
【column】ラフティングガイドの仕事を間近に見られるツアー
リバーガイド・小柿剛さん
大阪府高槻市出身。オーストラリア留学中にケアンズでラフティングと出合い、ガイドを目指す。1996年、群馬県利根郡みなかみ町でリバーガイドのキャリアをスタート。以降、みなかみ町で暮らしながら夏はリバーガイド、冬はスノーアクティビティのガイドとして活躍。現在はアウトドアツアーの主催会社「マックス」のみなかみ本店でマネージャーを務める。1児の父。
リバーガイドの仕事とは?
自然が豊かで、1年を通していろいろなアクティビティを体験できる群馬県のみなかみ町。
春から秋にかけてのグリーンシーズンには、ラフティングやキャニオニング、SUPといったリバーアクティビティのガイドを務めている小柿さん。
リバーガイドの仕事の中でも、「マックス」主催ツアーの柱であるラフティングのガイドについて聞いてみると、「急流に立ち向かうチャレンジングな気持ちと、越えたときの感動や達成感、そういったラフティング本来の楽しさをお客様に味わっていただくための環境づくり」がガイドの大きな仕事なのだとか。
そのためには川の性質を覚え、ボートをコントロールする技術も身につけなければなりません。さらに参加者を楽しませるトークも必要!意外にもマルチタスクなガイドの仕事内容や1日の流れなどは、こちらで紹介しています。
「川遊びの安全・安心を支えるリバーガイドの仕事とは?【SOTOASOBI職業図鑑】」
リバーガイドの魅力は?
接客業であり、技術職でもあるリバーガイドの仕事。どんなところに楽しさや魅力があるのでしょうか。
「リバーガイドの仕事は単純に楽しく、仕事に行くのが嫌だと思っている人はいない」と語る小柿さん。“楽しい”が仕事になるってうらやましいですよね。
リバーガイド同士は仲が良く、みなかみという枠を越えて全国のリバーガイドとつながりがあるのだとか!また、ラフティング以外のアウトドアと出合う機会が多いのも大きな魅力。
さらに詳しいリバーガイドの魅力についての詳細は、こちらで紹介しています。
「やりがい?それとも仲間との絆?リバーガイドの魅力は?【SOTOASOBI職業図鑑】」
リバーガイドになるには?
作りものではない、自然の川で体験するリバーアクティビティにおいて最低限の筋力や体力は必須。ラフティングの場合は操船技術も必要になります。
では、どうしたらリバーガイドになれるのでしょう?
小柿さんが所属する「マックス」では、2〜3ヶ月にわたるトレーニングに参加。まずは流れのない湖で1週間、その後はいよいよ「日本三大暴れ川」の1つに数えられる利根川で実地研修を行います。
利根川の長いコースの中で、最も流れの穏やかなポイントからスタート。難しいセクションでも操船できるようになったら実際に参加者を乗せてガイディングし、トークで盛り上げるといったことにも挑戦するそうですよ。
ガイドアップ(ガイドになること)までのトレーニングの内容については、こちらの記事をご覧ください。
「技術はどうやって習得する?リバーガイドになるには?【SOTOASOBI職業図鑑】」
リバーガイドに向いているのはどんな人?
安全に配慮しながらツアーを催行し、参加者をトークで盛り上げることも担うリバーガイド。どういうスキルや資質を持った人が向いているのか、気になるところ。
「自分以上にお客様に楽しんでいただくことを喜びに感じられる人はすごく向いている」と語る小柿さん。また、不測の事態も起こりうるリバーアクティビティでガイドをするには、落ち着いて的確な行動を取れるかどうかも重要だそうです。
リバーガイドになるための最低条件としては、25m以上泳げること!年齢制限はないそうですが、やはりチャレンジしやすい年齢層はあるとのこと。マックスでは女性のリバーガイドも活躍しており、女性もチャレンジできます。
リバーガイドの仕事に対して「思っていたのと違う」といったミスマッチがないよう、マックスではトレーニングを受ける前にツアーを体験して簡単な説明を受けられる“トライアウト”も実施しています。
リバーガイドに向いている資質やトライアウトの詳細は、こちらをチェックしてください。
「体力だけじゃない!リバーガイドに向いているのはどんな人?【SOTOASOBI職業図鑑】」
リバーガイドの雇用形態と報酬事情
自分自身が楽しいだけではなく、参加者に感動や達成感を感じてもらうことができ、仲間とのつながりも深いリバーガイドの仕事。魅力的な面が多い仕事に思えますが、雇用形態はどうなっているのでしょうか。
グリーンシーズンに働くリバーガイドは、基本的に期間雇用になります。そのため報酬は月額制ではなく、マックスでは1ツアー5,000円の完全歩合制。技術が上達すると1ツアーあたりの単価が上がっていき、ベテランのリーダークラスになると繁忙期の8月は月収が50万円を超えることもよくあるそう!
また仕事を長く続けたいなら気になるのは、正社員への道。これがちゃんとリバーガイド業界にもあったのです!枠は多くはないものの、やる気と覚悟があればその道は開けると小柿さんは言います。
報酬アップの仕組みや正社員を目指す人への小柿さんのアドバイス、グリーンシーズン以外の働き方については、こちらの記事で紹介しています。
「やっぱり気になる!リバーガイドの雇用形態と報酬事情は?【SOTOASOBI職業図鑑】」
リバーガイドの暮らし
リバーガイドの多くは地域外からの移住者。住む場所はあるのか、見知らぬ土地でうまくやっていけるのか、気になることはいっぱい。
「マックス」では通称“ガイドハウス”と呼ばれる家を提供していて、ガイドたちはさながらシェアハウスのような共同生活をしているそう。川でトレーニングした後はみんなで食事をして、時にはお酒も飲んで、翌朝また川へ向かう…何だか楽しそうですよね!
みなかみは都心と比べて格段に家賃が安く、期間限定で貸してくれる物件も多いため、ガイドハウス以外に住居を借りて住むのも意外と簡単なのだとか。移住を推進するみなかみ町には、空き家を利用した移住サポート制度もあります。
リバーガイドの暮らしぶりや移住を推進する町のサポート制度、小柿さんが「やっぱりこの町に暮らしてきて良かった」と語るみなかみの魅力については、こちらをご覧ください。
「自然とともに生き、働くリバーガイドの暮らしとは?【SOTOASOBI職業図鑑】」
リバーガイドは常に喜びを感じられる仕事!
最後にリバーガイドの仕事に興味を持たれている人へ、小柿さんからのメッセージを紹介します。
「仕事、嫌だな…と思いながら満員電車に揺られて出勤するのではなく、毎日仕事楽しみだなと思えるのがリバーガイドの良いところ。リバーガイドができるという喜びを常に感じられる仕事なんです。8時から17時といった比較的健全な時間内で業務を終えられるので、プライベートの時間を確保しやすいといった魅力もあります。
都心に暮らして良い家やマンションに住むといった生活スタイルとはまったく違うけど、自然の中で心身ともに健康で仕事と生活を楽しみながら暮らせる、それってやっぱり最高なんですよね。
リバーガイドは体力面などハードルがないわけではないですが、誰でもチャレンジできる仕事だと思っています。まずはぜひみなかみに来てその自然とラフティングを体験してみてほしい。私たちはいつでも待っています」
20数年のキャリアを経てもなお、毎日新鮮な気持ちで仕事を楽しめる。そこにリバーガイドという仕事の魅力が表れているのではないでしょうか。
川のコンディションも、やってくる参加者も毎日違う。リバーガイドにはそれに対応するスキルや経験が必要ですが、だからこそやりがいや楽しさも大きいのかもしれませんね。
ラフティングガイドの仕事を間近に見られるツアー
そもそもラフティングって何?って思っている人は、所要時間約3時間の“半日ツアー”を体験してみてください。川遊びの楽しさにふれられるはずです。
春は雪解け水による増水でよりスリリングなラフティングを、夏は川遊びを交えた盛りだくさんなラフティングを楽しめます。
ぜひ小柿さんのガイドでその仕事ぶりを間近で見てください!分からないことがあったら、どんどん聞いてみるのもいいかもしれません。丁寧に教えてくれるはずですよ。
- 群馬県利根郡みなかみ町大穴54-2 「マックス」大穴ベース
自然とともに生き、喜びを感じながら働けるのがリバーガイド
暮らしの中だけでなく、仕事を通じても四季を感じられるリバーガイドという仕事。普段の生活ではなかなかふれる機会のない職業ですが、自然の中で働きたい、自然の中で暮らしたいという思いがある人はぜひ1度みなかみを訪れてみませんか。
「楽しい」が仕事になる、それはほんの一握りの人間だけ。そんな固定概念を覆してくれるかもしれません。そして何より、ラフティングという最高の体験を味わえますよ。
(取材:木村雄志 文:松尾ちはる)
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マックス(今回取材にご協力いただいた会社)
アイラブアウトドアーズジャパン
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