奥深い犬ぞりの世界…初心者にも分かりやすい!犬種や用語の基礎知識 2024.01.21 犬ぞり
真っ白な雪原を複数の犬がそりを引いて走る光景…、写真や映像で見たことがある人も多いのではないでしょうか。別世界の風景に感じてしまう犬ぞりですが、実は誰でも気軽に体験できる冬のおすすめアクティビティなんです!
この記事では、そりを引く犬種や引き方のスタイル、専門用語など、犬ぞりの世界を詳しくご紹介!これを読めば、きっとあなたも犬ぞりを体験したくなりますよ。
【目次】
■犬ぞりにはどんな犬種がいるの?
- 1.アラスカン・ハスキー
- 2.シベリアン・ハスキー
- 3.アラスカン・マラミュート
- 4.カナディアン・エスキモー・ドッグ
- 5.サモエド
- 6.グリーンランド・ドッグ
【column】かつて日本人のために活躍してくれた樺太犬
■“犬のつなぎ方”はどうなっているの?
■犬ぞりにおける犬たちの役割分担
- 進路を決める重要な役割!先頭を走る「リードドッグ」
- スピードと体力が必要!先頭の後ろを走る「ポイントドッグ」
- 中間で牽引力の底上げを担う「チームドッグ」
- 協調性とスタミナが重要!最後列の「ホイールドッグ」
【column】操縦者である「マッシャー」とは?
■あなたもマッシャーになれる!おすすめの犬ぞり体験
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犬ぞりにはどんな犬種がいるの?
そりを引いている犬たちは、身近にいる犬とはちょっと違うように見えます。雪道でそりを引くそり犬に用いられる条件として、体重が20kg後半~50kg程度あり、寒さに強いことが求められます。
そり犬1頭が引くことができるのは、大体自分の体重と同じくらいの重さまで。例えば40kgのそり犬6頭で引く場合、なんと240kgもの重量を運ぶことができるのです。
もちろん、体格が良ければいいわけではありません。犬ぞり用の訓練をこなし、マッシャーと呼ばれるそりに乗る人の指示に忠実に従うことができなければ、そり犬にはなれないのです。
そんな力持ちで賢いそり犬の主な犬種をここで一部紹介します。これを知っておけば、犬ぞりを見るときに違った目線で楽しめるかもしれません!
1.より速く、より長く走れるように作り出された「アラスカン・ハスキー」
「アラスカン・ハスキー」は、アメリカ・アラスカ州原産の犬ぞりレース用の犬。実はそり犬と俊足の犬種を交配させたさまざまな系統の犬の総称であり、正確にいうと犬種としては確立されていません。
より速く、より長く走れるようにと作り出されたアラスカン・ハスキーはそり犬に用いられることがもっとも多く、オオカミのようなスラリとした体格で、そりを引く姿も様になります。
2.耐寒性と持久力に優れた「シベリアン・ハスキー」
いわずと知れた人気の犬種である「シベリアン・ハスキー」。カナダ北極圏を原産地としており、温和な性格と凛とした美しい姿からペットとしても定着しています。
もともと極寒の地でそりの牽引などに用いられてきた犬種なので、耐寒性と持久力はお墨付き。好奇心が強く、いたずら好きな面もありますが、社会性も強いためそり犬のように集団行動をするのにも向いています。
3.安定感のある四肢を持つ理想的なそり犬「アラスカン・マラミュート」
アラスカ州西部のスワード半島を主産地としている「アラスカン・マラミュート」は、海岸地方で暮らすマラミュート族によって飼育されていた労働犬で、見た目はシベリアン・ハスキーにそっくり。
シベリアン・ハスキーと比べるとやや胴長で丸みを帯びた体格をしており、小さめの立ち耳や茶色の目、巻き尾が特徴。筋肉質で持久力があり、がっしりと安定感のある四肢を持つアラスカン・マラミュートはそり犬として理想的な犬種です。
4.スタミナがあり、長距離を走るのに優れた「カナディアン・エスキモー・ドッグ」
「カナディアン・エスキモー・ドッグ」は、カナダの北極圏でイヌイットによって古くから飼育されてきた古代犬種。“エスキモーハスキー”や“キミック”と呼ばれることも。
外部の人に認知されるようになると急激に混血が進み、一時は純血種が200頭ほどにまで減少して全滅寸前になりましたが、現在ではブリーディングによって頭数を持ち直すことができています。
防寒に優れた厚い毛に覆われ、立ち耳にカールしたしっぽを持つ、日本犬にも多いスピッツタイプの犬種です。
自分より上位と認めた者の命令にしか従わない性格であるため、初心者が扱うにはやや難しい面もありますが、スタミナが豊富にあるので長距離タイプとしてとても優秀なそり犬です。
5.強いバネと体力を備えた癒やし犬「サモエド」
ロシア北部のシベリア地方生まれの「サモエド」は、遊牧民族のサモエード人と共に暮らしてきた大型犬です。真っ白なふわふわの毛と厚い皮下脂肪があり、寒さに強いのが特徴。厳しい環境下で長く暮らしてきたため、ほかの犬との交雑が少なく、極めて原始犬に近い犬種でポメラニアンや日本スピッツの祖先にあたります。
そんなサモエドはそりを引いたり、オオカミからトナカイを守る役割を担ったりするほか、猟犬としても活躍してきました。強いバネと体力を備え、見た目に反して小食であることから極地探検にも重宝されています。
性格は人懐っこく温厚。つぶらな瞳と上向きの口角が笑っているように見えることから“サモエドスマイル”と呼ばれ、その愛くるしい表情で人々を癒やしてくれます。
6.とにかくタフな世界最古の犬種「グリーンランド・ドッグ」
世界最古の犬種の1つといわれる「グリーンランド・ドッグ」。グリーンランド原産の固有種で、勇敢さと力強さ、持久力を兼ね備えたエネルギッシュな犬種です。アザラシなどの狩猟やそりの牽引などで、古くからエスキモーの人々の生活を支えてきました。
毛色は真っ白なアルビノ以外のさまざまなカラーがあり、ブラック&ホワイト、ブラック&タン(淡い茶色)が多く見られます。友好的な性格ゆえ護衛犬には不向きですが、犬ぞりでは存分にパワーを発揮してくれることでしょう。
かつて日本人のために活躍してくれた樺太犬
「樺太犬(からふといぬ)」は、樺太および千島列島で作り出された犬種で、アイヌの人々が犬ぞりや猟犬として用いていました。
昭和40年代くらいまでは日本のさまざまな場面で活躍してきた樺太犬。南極地域観測隊でそりを引くために派遣され、南極に1年も置き去りにされながらも生き延びたことで有名な「タロ」と「ジロ」もこの犬種です。
車社会の繁栄とともに、人間の生活にはあまり必要のなくなってしまった樺太犬は、他犬種との混血で雑種化したり、野犬化したものはエキノコックス発生時に行なわれた野犬討伐の対象になったりし、1970年代には残念ながらほぼ全滅してしまいました。
現在はそり犬として走る姿は見られなくなってしまいましたが、かつて日本人のために活躍してくれた樺太犬は忘れてはならない大切な存在です。(写真/PIXTA)
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