青木ヶ原樹海&洞窟探検に子供とチャレンジ!手つかずの広大な森で、富士山の神秘を体験しました 2022.06.26 トレッキング 山梨県
リモートワークで、デスクワークが増え、体を動かすことが激減。そういえば久しくアウトドアアクティビティとはご無沙汰していることに気がつきました。このままじゃダメだ! と奮起していろいろ探してみたところ、青木ヶ原の樹海&洞窟探検ができるという魅力的なツアーを見つけました。
青木ヶ原樹海は、一度行ってみたかったのです。樹海ってちょっとミステリアスで冒険心がくすぐられませんか? 洞窟探検はゲームでは経験したことあるけど、リアルでは未体験。照明や歩道が整備されている観光洞窟は数あれど、今回、選んだのは、一般観光客が足を踏み入れる事のできない天然の地下洞窟、富士風穴。どうせなら本格的な洞窟にチャレンジしてみたかったのです。
小学校1年生の娘は、インドアな僕とは違って、外遊びが大好きなアクティブ派。片時もじっとすることなく飛んだりはねたり、木登りだってお手の物。普段は近所の公園で走り回ってますが、本格的なアウトドアアクティビティは経験したことないので、この機会に体験させたかったのです。
苔のじゅうたんが広がる樹海で大自然を満喫
富士山の北西山麓に広がる青木ヶ原樹海は、約1,200年前、富士山の噴火によって流れ出た溶岩の上に生まれた林で、国の天然記念物に指定されています。その広さは、なんと30平方km。東京ドーム約640個分、山手線の内側エリアがすっぽり入るほどの広大な森なのです。あまりに広すぎて、どこをどう歩けばいいのやら…。
でも、今回は経験豊富なネイチャーガイドさんが、とっておきのコースを案内してくれるので安心です。
ガイドさんから、トレッキングのルールのレクチャーを受けます。「ゴミを持ち込まない」「動植物の採取をしない、植物を踏みつけない」「喫煙、飲酒をしない」「たき火をしない」「遊歩道から外れない」など、山歩きの基本的なルールですが、青木ケ原樹海は、天然記念物にも指定されている数少ない原生的な森なので、自然環境を保全するためにもしっかり守りたいものです。
「うわぁ~きれい!」。樹海に入ると、娘は大喜び。前日に雨が降った樹林は、木の葉の水滴がキラキラ輝いてとっても美しい! 整備された遊歩道を木漏れ日を浴びながら歩いていると、ほんとにここが樹海? いや、実はもっと鬱蒼としたディープな森を想像していたのです(笑)
「森の始まりは何だと思う?」とガイドさんが娘に問いかけます。僕の顔を見ながら、「うーん、何だろ?」と首をかしげる娘。「それは苔なんだよ」とガイドさん。
樹海は溶岩の上に生まれた森ですが、まず溶岩の上に土がなくても育つ苔が生るのだそう。「そして苔の上に小さな植物が生え、次第に木々が育ち、その木から落ちた葉で土が生まれたんだよ。ほら、苔の間に小さな芽が生えてきているでしょう。これが森の始まり。じゃあ、優しくそおっと触ってみよう」とガイドさん。
「うわああ、フカフカしているよ。すごい、お父さんも触ってみて」と娘に促されて、触ってみると、しっとり&ふわふわ。まるで子犬の背中のよう。「これが小さな森なんだね、すごーい」と、娘は小さな森と大きな森を何度も見比べて目を輝かせます。娘のキラキラとした瞳を見ると、こっちまでうれしくなっちゃいます。
樹海内の遊歩道は、ほとんど平坦なので小さな子どもでも安全にウオーキングを楽しむことができます。娘はまったく疲れる様子もなく、「気持ちいい~!」と、軽やかな足取りで、ときにスキップして全身で森歩きを満喫しています。
「あ、ここにきのこがあるよ!」と娘が指を指す方向を見ると、小さな小さなきのこが生えていました。「あ、あっちも、こっちにも」と、大人より先にいろんなきのこを見つける娘に、ガイドさんもびっくり。
発見のたびに、「これなあに?」とガイドさんに質問攻めの娘。好奇心が炸裂しました。「これはサルノコシカケ。森をきれいに浄化してくれる働きがあるんだよ」。ガイドさんは、娘のどんな質問にも優しく答えてくれます。
「ガイドさん、すごい! 何でも知ってる。わかった! ガイドさんは忍者なんだね」と突拍子もないことを言い出した娘。おいおい、ちょっと待てと、ヒヤリとしましたが、ガイドさんは笑って忍者になりきってくれました。娘はそれからずっとガイドさんのことを“忍者さん”と呼んでいました(笑)。
「忍者さーん! 鳥の声が聞こえるよ」と鳥の声に反応した娘。そう、娘は動物が大好きなのです。樹海には、キビタキ、シジュウカラ、ミソサザイ、ヤマガラ、コガラ、ヒガラ、ツグミ、ヒヨドリなど200種類を超える野鳥が生息しているのです。「生き物はほかにもリスや姫ネズミ、シカ、ツキノワグマも住んでいるんだよ。でも明るいうちはめったに人の前に出てこないんだ」とガイドさん。「え~! クマもいるの!? すごーい。クマは怖いけど、シカには会いたかったな~」と娘はちょっぴり残念そう。
「あ、忍者さん、これなあに。かわいいものが落ちてるよ」と娘がしゃがんだ場所には、小さなエビフライのようなカタチをした植物が落ちていました。「よく見つけたね~。これはリスが松ぼっくりを食べた後。カタチがエビフライに似ているので、“森のエビフライ”と呼ばれているんだよ」。
「ほんとだエビフライに似てる! お父さん、写真、撮って撮って!」と娘にせがまれて、カメラを連写。そう、樹海では採取はNGなので、思い出は心と写真の中に。ガイドさんからの注意点をちゃんと守る娘をちょっぴり誇らしく思いました。
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