パラグライダーのライセンスが取りたい!取得期間や費用ってどうなの? 2024.01.28 パラグライダー
誰もが一度は夢見る「空を飛ぶこと」。それを実現できるのが、スカイスポーツのひとつであるパラグライダーです。
空から見る景色は日常とはまるで別世界!まるで鳥になったかのような気分を味える感動や新しい発見が待っています。
そんなパラグライダーですが、自分で操縦できるようになるには、どのような手順でライセンスを取得すればいいのでしょうか?今回は気になる費用や取得までの期間などをご紹介します。
【目次】
■パラグライダーのライセンスを取得するには?
■JHFのライセンス制度は?
- ライセンス取得までの期間は?
- ライセンス取得の費用は?
■JPAのライセンス制度は?
- ライセンス取得までの期間は?
- ライセンス取得の費用は?
■ライセンス取得前に、まずはパラグライダー体験!
- 筑波山や霞ヶ浦を望むエリアでフライトデビュー|茨城県
- 富士山の大パノラマを眺めながら体験|静岡県
- 八ヶ岳を目の前に爽快な空中散歩&浮遊体験|長野県
- 亀岡&南丹エリアで気軽にフライトを満喫|京都府
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パラグライダーのライセンスを取得するには?
日本では、パラグライダーは航空機扱いではなく法規制もないため、国家資格は存在しません。とはいえ、独学で操縦できるほど簡単なものではないので、本格的に日本各地のフライトエリアを単独飛行してみたいとなるとライセンスの取得が必須!公認スクールで講習を重ねながら、安全にフライトするための専門的な知識と技術を身につける必要があります。
現在、国内でライセンス(=技能証)を発行している団体は、以下の2つ。ライセンス取得には、各団体の公認スクールが開催する「ライセンス取得コース」を受講しましょう。
「公益社団法人日本ハング・パラグライディング連盟(JHF)」
国際航空連盟(FAI)の下部団体であり、国際技能標準に基づいた教習課程を採用。JHF技能証は国際ライセンスとして認められ、申請のみで海外でのフライトに使える国際技能証「IPPIカード」の発行が可能です。
「NPO法人日本パラグライダー協会(JPA)」
日本のパラグライダースクールや関連事業体、パイロットといったプロフェッショナルが主体となった組織。最新の指導要領をもとに、独自で考案した講習制度を採用しています。
ちなみに、講習を受ける際の体力的な参加条件として、装備一式約20kgを持ち運べることが挙げられます。年齢制限は、どちらの団体もコースによって異なりますが、初級のコースは14歳から(ただし保護者の承認があれば限定なし)というものも。体重制限は厳密ではありませんが、30~80kgが目安。スクールによってもさまざまなので、参加申し込みの前によく確認しておきましょう。
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JHFのライセンス制度は?
公益社団法人日本ハング・パラグライディング連盟(JHF)で取得できるパイロット技能証には4段階があり、ライセンス取得のためには、A証→B証→NP証→P証と順を追ってステップアップしていくコース設定に。一人前と認められるP証を取得すれば、国内に点在するパラグライダーエリアだけでなく、海外でもフライトができるようになります。
A級パイロット技能証(A証)
インストラクターの補助なしで、低い斜面で1人でショートフライト(安全な離陸、直線飛行、着陸)ができる。
B級パイロット技能証(B証)
インストラクターの補助なしで、安全かつ確実な離着陸ができるとともに、高高度フライト20本、飛行中に180度旋回を修得。
ノービスパイロット技能証(NP証)
管理された空域内で、自己の判断と責任において穏やかな上昇気流に乗り、安全にソアリングフライトができる。B級証取得後に合計飛行時間5時間以上、成功飛行回数60回以上、半径20m以内へのランディング(着陸)の経験が必要。
パイロット技能証(P証)
管理された空域内で、競技飛行、記録飛行、検定飛行、その他すべての飛行を自己の判断と責任においてできる。NP証取得後に合計飛行時間30時間以上、半径10m以内へのランディング、フライトリア3ヶ所以上の経験が必要。
またP証を所持すれば、「タンデムパイロット技能証(T証)」や「上級タンデムパイロット技能証(上級T証)」「助教員・教員技能証」といったパラグライダーインストラクターとして活躍するのに必要なライセンス取得の道も開けます。
ライセンス取得までの期間は?
ライセンスの種類は団体ごとに統一されていますが、取得までの料金や期間はスクールによってさまざま。ここでは、後ほどパラグライダー体験紹介で登場するJHF公認スクール「ソラトピアパラグライダースクール」を参照にまとめています。
A証…延べ3日間ほど(学科約2時間×1回+実技練習)
B証…学科1時間×2回+実技練習(ソロフライト30本以上)
NP証…学科+実技練習(単独飛行 100回・合計飛行時間15時間以上)
P証…学科+実技練習(ソロフライト150回・合計飛行時間40時間以上)
A証からステップアップして一人前とされるP証まで取得するのにかかる期間は、受講するペースによって個人差があります。週末を利用してコンスタントに通った場合で、2年半~3年くらいかかるようです。
ライセンス取得の費用は?
ライセンス取得コースの受講料についても「ソラトピアパラグライダースクール」を参照すると、A級は1日あたり5,500円、B級~P証は1月あたり9,900円。これ以外に、ライセンス取得時には検定料が必要となり、1回につき1,000~3,000円ほどです。さらに、ライセンス申請時には連盟登録料(年間)をはじめ、申請料や教本料、事務手数料がコースごとに必要となります。
ちなみに、ソラトピアではB級~P証取得コースの受講料は月額制の設定となっていますが、スクールによってはコースごとに一定期間制のところも。短期集中で通える人には月額制がお得ですが、コンスタントに通うのが難しい場合には、受講有効期間の長い一定期間制のあるスクールを選ぶのがよいかもしれません。
また、入会金や施設使用料、装備のレンタル料、損害保険料など、そのほかに必要となる費用もスクールやコースによって異なります。目標とするレベルのライセンス取得までトータルでいくらかかるのかシミュレーションをしてから、自分に合ったスクールを選ぶようにしましょう。
JPAのライセンス制度は?
日本パラグライダー協会(JPA)の発行する主なライセンスには以下の5ステージに加え、2人乗りで安全かつ確実にフライトできるタンデムパイロット技能証があります。基礎を学ぶ「パラメイト技能証」から「タンデムパイロット技能証」までは、次の段階へと順番にステップアップしながらライセンスを取得していきます。
パラメイト技能証
ゲレンデでパラグライダーの基礎を習得し、インストラクターの指示で高高度からの単独フライトができる。
ベーシックパイロット技能証
安定した気象条件で、安全なテイクオフやランディングを含む単独フライトができる。この課程から気象学や航空力学などの学科もあり。
プライマリーパイロット技能証
左右360度以上の旋回操作を含む滑空比以上のフライトができる。ホームエリアを自由にフライトする技術を修得。
パイロット技能証
航空スポーツとしての健全なる飛行ができる技能と判断を修得。ホーム以外のエリアや海外でのフライトが可能に。
エキスパートパイロット技能証
競技会での競技飛行、単独でのクロスカントリー飛行など、さまざまなコンディションの中で、安全に単独フライトできる技術をさらに磨く。
「パイロット技能証」まで取ると、スクールで学ぶ基本科目が修了したとみなされ、一人前として国内外でより自由に単独フライトが楽しめるように!そのほか、インストラクターやレスキューパラシュート・リガーといった技能証があります。
ライセンス取得までの期間は?
ライセンス取得までの期間はスクールや受講するペースによって差があるため一概にはいえません。練習は連続でなくてもOK。決められたコースの受講期間内であれば、週1日といった自分のペースで受講できます。
「パラメイト技能証」であれば延べ3日間が目安ということなので、5~10日ほど練習すれば取得できそうです。実際には増減がありますが、フライト本数の目安でいうと、「ベーシックパイロット技能証」は30本(延べ5日間ほど)、「プライマリーパイロット技能証」「パイロット技能証」ともに各100本(延べ各30日ほど)。
1日もほぼ休まずスクールに通えば2ヶ月半~3ヶ月で取得できるかもしれませんが、実際にはなかなか難しいもの。週末を利用してコンスタントに通う場合で、「パイロット技能証」取得までは1年半ほどかかると考えておいたほうがよいでしょう。
ライセンス取得までの費用は?
JPA公認のスクールも料金設定がさまざまなので、ここでは後ほどパラグライダー体験紹介で登場するJPA公認スクール「富士見パノラマパラグライダースクール」を参照に、ライセンス取得までに必要となる費用をみてみましょう。
ライセンス取得のコース料金は、パラメイトが28,000円(3ヶ月間有効)、ベーシック~パイロットが各35,000円(各1年間有効)、エキスパートが30,000円(1年間有効)となっています。JPA公認スクールは、自分のペースで通いやすい、コースごとの一定期間制料金のところが多いようです。
コース料金以外に、入校料や保険料、施設使用料などが別途必要になる場合も。いずれのJPA公認スクールも、ベーシックコース以降はJPAのパイロット会員登録料や傷害保険料が年間でかかるほか、高高度からのフライトには自分専用の機材(一式60万円前後)を用意しなければならない点も留意しておきましょう。
また、ライセンス取得時には検定料や技能証申請料も必要となります。
ライセンス取得前に、まずはパラグライダー体験!
日本のほとんどのパラグライダースクールは、体験コースとライセンス取得コースのどちらも開催しています。ライセンス取得を目指す人も、まずは体験コースへの参加を求められることが多いです。
パラグライダー体験には自力でゲレンデを低空飛行する「浮遊体験コース」と、初めての人でもすぐに高高度の空中散歩を楽しめる「タンデムフライト(2人乗り)コース」があります。パラグライダーの魅力やスクールの雰囲気を知るためにも、積極的にいろいろなスクールの体験コースに参加してみましょう!
都心から好アクセス!筑波山や霞ヶ浦を望むエリアでフライトデビュー|茨城県
都心からパラグライダー体験をしに行くのにおすすめなのが、茨城県石岡市にある「ソラトピアパラグライダースクール」。最寄のJR常磐線「石岡」駅までは、「東京」駅から特急で最短1時間。そこからバスで30分ほどのバス停「柿岡車庫」から送迎サービスがあるので、車がなくてもアクセスしやすく便利です。
JHFの公認スクールで、代表はJHF教員検定員の資格を保有しており、パラグライダーの教員を目指す人たちの指導的役割を担うほど!国内外のスクールで長年にわたってインストラクターとして活躍してきた、豊富な経験に基づいたプロの指導を受けられます。
“タンデムフライト操縦体験コース”では、プロのインストラクターと一緒に2人乗りで、筑波山や霞ケ浦を望む高度400mからフライト!ドキドキのテイクオフからランディングまでの基本操作はインストラクターにお任せでOKですが、上空で安定飛行状態になったところで、参加者自ら操縦体験ができるんです。パラグライダーを左右に操作する感覚は、ほかではなかなか味わえませんよ。
また、実際にパラグライダーを装着し、自ら翼を操ることにチャレンジできる“パラグライダー体験レッスン・半日コース”もあり!翼を広げて小さな丘を駆け下り、インストラクターのサポート付きでショートフライトを楽しめます。初体験の不思議な浮遊感に、すぐさまパラグライダーに夢中になってしまうかも!?
- 茨城県石岡市小屋576-1 ソラトピアパラグライダースクール
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通年でフライトOK!富士山の大パノラマを眺めながらの体験ツアー|静岡県
「どうせなら絶景の中でパラグライダーを体験してみたい!」という人は、JHF公認スクール「スカイ朝霧」の体験ツアーに参加してみてはいかが?富士山の大パノラマを眺めながらフライトを楽しめます。
日本最大級のパラグライダー練習場として設立されたスカイ朝霧は、1年を通じて気候が安定していることから抜群のフライト率を誇る、まさにパラグライダーのメッカ!通年でフライトできる安心のフィールドで、上空から四季折々の魅力的な風景を堪能できます。
高度差300m、目の前に広がる富士山の絶景へ向かってインストラクターと2人乗りでフライトする“タンデムフライト”をはじめ、30mの丘から駆け下りて自分で操縦しながら浮遊体験ができる“半日体験コース”、タンデムフライトと浮遊体験のどちらも楽しみたいという欲張りさんにうれしい“セットコース”が用意されています。
いずれのツアーも経験豊富なJHF公認のインストラクターがご案内。タンデムコースは3歳から、体験コースは中学1年生から参加でき、しっかりサポートしてくれるから初心者でも安心ですね。
- 静岡県富士宮市麓499 スカイ朝霧
ファミリーにもおすすめ!八ヶ岳を目の前に爽快な空中散歩&浮遊体験|長野県
首都圏からアクセス良好な長野県の富士見町にある「富士見パノラマパラグライダースクール」は、南アルプスや八ヶ岳といった日本を代表する山々に囲まれた高原リゾートがホームエリア。標高1,000mにあるため夏でも涼しく、八ヶ岳はもちろん晴天時には富士山や諏訪湖まで望め、爽快な空中散歩を楽しめます。
高度差約800mという国内屈指の高度感たっぷりなフライトが楽しめる“タンデムフライトコース”は大人気!八ヶ岳の大パノラマを目の前に、約15分ほどの空中散歩を満喫しましょう。
また、緩やかな斜面を利用して自力でパラグライダーを操作しながら浮遊体験ができる“半日体験コース”もあり!3方向のフィールドを備え、体験フライトの開催確率が高いことも特徴の1つです。
どちらのコースも子供用の装備を完備しており、小学1年生から参加OK。家族でとびきりの体験をするのにもおすすめですよ。
こちらはJPA公認スクールで、校長は日本に4人しかいない「JPA スーパーバイザー(全国のパラグライダーインストラクターを検定する資格)」の資格保有者!経験豊富なインストラクターが、世界最先端の講習内容を、日本の環境に合わせて効率よく指導してくれるのも見逃せないポイントです。
- 長野県諏訪郡富士見町富士見6666-703
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京阪神から日帰りOK!亀岡&南丹エリアで気軽にフライトを満喫|京都府
関西からアクセスしやすいのが、京都府中西部に位置する亀岡市と南丹市にホームエリアを持つJPAの公認スクール「バーズパラグライダースクール」です。こちらの体験コースは1人でも参加OKだから、思い立ったら気軽にフライトできるのが特徴です。
広大な亀岡盆地が眼下に広がる「三郎が岳」の標高580m付近からテイクオフする“タンデムコース”は、高度差470mからのダイナミックなフライトが魅力!パラグライダーの操作はパイロットにお任せだから、京都の西に広がる日本の原風景を眼下に眺めながら、自分で空中写真を撮ることもできちゃいます。
また、自分でパラグライダーを操縦したい人におすすめの“チャレンジコース”は、初心者向けの緩やかな斜面がある「西京都パラグライダー練習場」で開催。フライトが成功すれば、高さ1〜5mほど、滑空距離は30mくらい飛べることも!約90分間で何度でも浮遊体験に挑戦OKです。
そのほか、タンデムと浮遊体験のどちらも楽しめるセットコースもあります。
代表インストラクターである校長は、国内外での大会で活躍した経験のある実力者!経験豊富なインストラクターがツアーに同行してくれるから心強いですね。
- 京都府亀岡市千歳町千歳池端 パラパーク京都
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パラグライダーで空を飛ぶ感動を味わおう!
鳥のように大空を飛ぶ夢をかなえられるパラグライダー。ライセンス取得を目指す人も、一度試してみたい人も、まずは体験ツアーで空を飛ぶ感動を味わってくださいね!
アウトドアレジャーの専門予約サイト「SOTOASOBI(そとあそび)」では、全国のパラグライダー体験ツアーを紹介しています。こちらもスクール探しの参考に、ぜひチェックしてみてください。
(編集部注*2016年6月21日に公開された記事を再編集したものです)
※掲載されている情報は公開日のもので、最新の情報とは限りません。
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