オリンピックだけでなんと16種類も!カヌーの競技種目まとめ 2016.02.19 カヌー・カヤック
カヌーやカヤックは何千年も前からポリネシアやイヌイット(カナダ北部などの氷雪地帯に住むエスキモー系諸民族の一種)の人たちの移動手段、狩りの道具として発達してきた水上の乗り物です。
スポーツとしてのカヌーは、19世紀中頃のイギリスが発祥で、最初のカヌー競技が1866年にテムズ川のレースで行われました。1924年には国際カヌー連盟が創設、第1回の世界選手権は1930年に開催され、第11回ベルリン大会からオリンピックの正式種目となりました。
長い歴史を持つ由緒あるスポーツ、カヌーの競技は、国際カヌー連盟が統括するオリンピックの種目だけでなんと16種類も。知れば知るほど面白くなるカヌー競技の種目について解説します。
競技で乗るのはカナディアンカヌーとカヤックの2種類
競技で使われる船艇には大きく分けて2種類あります。それぞれの種類に1人乗り、2人乗りなどさらに種類は分かれますが、大きく分けると、「カナディアンカヌー」と「カヤック」に分類されます。
カナディアンカヌーとは?
カナディアンカヌーには甲板がなく、漕ぎ手が膝を立てて乗り、片方だけに水をかくためのブレードが付いた「シングルブレードパドル」を使って船の左右どちらか一方だけを漕いで進みます。
カヤックとは?
カヤックは漕ぎ手が座るコックピット以外は甲板で覆われており、漕ぎ手が両足を前に伸ばした長座の姿勢で座り、両端にブレードが付いたダブルブレードパドルで左右両側を交互に漕ぎながら進行していきます。
カヌー・カヤックの2大競技!スプリントとスラローム
主な競技の種目としては、現在のオリンピックの正式種目となっている「スプリント」と「スラローム」の2つがあります。
スプリント:静水のタイムトライアル
「スプリント」は、流れがない河川や湖沼など静水の場所で開催。1人乗りから4人乗りの船に乗って直線コースを同時にスタートし、いかに速くゴールできるか着順を争う、スピード感が魅力の競技です。
使用する船でカナディアンカヌー部門とカヤック部門に分かれており、さらに乗組員の人数により「シングル(1人)」「ペア(2人)」「フォア(4人)」に区別され、距離によっても200m、500m、1000mなどの細かい種目に分類されます。オリンピックでは、スプリント競技において12種目が行われています。
スラローム:急流で自由自在に船を操る技術が見どころ
「スラローム」は、変化に富んだ流れのある川で回転の技を競うもので、自由自在に船を操る技術が見どころです。
1人ずつスタートして、250~400mの急流のコースに設置された18~25個のゲートを決められた順番にくぐり、ゲートを通過する技術とゴールまでの所要時間を争います。ゴールまでのタイムと、各ゲートを通過する際のペナルティポイントの合計が最も少ない人が勝者となります。
ゲートに触れたり、通過しなかった場合は減点とされ、例えばゲートのポールに体や船体、パドルが接触したら2秒のペナルティ、ゲートを通過せずゴールしたら、ゲート1つにつき50秒のペナルティが課されます。
こちらの競技もカナディアンカヌーとカヤック、「シングル(1人)」「ペア(2人)」で分かれ、オリンピックでは4種目が数えられています。
まだまだある魅力的なカヌー・カヤックの競技種目
ワイルドウォーター
ワイルドウォーターは川の一定区間をいかに早く漕ぎ下るかのタイムを競う競技です。同じタイムを競う競技であっても、「スラローム」との違いは区間内であればどこを通っても良いということです。
川幅の広いコースなどではいかにうまくコントロールして最短の導線を漕ぎ下れるかでタイムに大きな差が出るので、パドルコントロールが腕の見せ所の競技。激流を下る迫力に観客も盛り上がります。
フリースタイル
比較的新しい分野の「フリースタイル」は、45秒の間に波や落ち込みのある激流の決められた場所で、船を水車のように回転させたり、様々なトリック(技)を繰り出してパドリングや操艇技術を競う競技で、「水上のロデオ」とも言われています。
カヌー・ポロ
カヌー・ポロは水球・バスケットボール・カヌーの要素を組み合わせた団体競技です。激しく船同士がぶつかり合い、パドルを使って華麗にボールを操ります。ボールは手を使ってもOK!相手のゴールへボールを入れて点数を稼ぎ、最終的な合計点数で勝ち負けを競います。
セーリングカヌー
セーリングカヌーはレーシングヨットのように帆を張ったカヌーで楽しむカヌー。カヤックバージョンの「セーリングカヤック」もあります。
一定のコースを風をつかまえて進み、そのタイムを競うものです。
ドラゴンカヌー
ドラゴンカヌーとは中国や日本をはじめ、東南アジアを中心に古くから行われてきた伝統競技の一つで、世界最古の手漕ぎ舟競漕です。日本には約400年前に琉球に伝わり、約350年前に長崎に伝わりました。
漕ぎ手8名、舵取り1名、太鼓手1名という特殊な乗組で300mのコースを漕ぎタイムを競う競技です。太鼓手というポジションが珍しいですよね。
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美しい河川や湖沼の中で楽しむカヌーは、自然と一体になれる喜びはもちろん、水面に近い低い視点から見る大迫力の景色も醍醐味です。
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(編集部注*2015年10月12日に公開された記事を再編集したものです。)
※掲載されている情報は公開日のもので、最新の情報とは限りません。
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