
【世界遺産】知床観光で絶対行きたい絶景の滝・知床八景 2015.10.25 知床・網走・北見
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2005年に国内で3件目、北海道初にして現在道内唯一の世界自然遺産に登録された知床は、「大地の突端・行き詰まり」「地の果て」を意味するアイヌ語「シリエトク」を由来とする地名になっています。
北海道の東端にあるオホーツク海に面した知床半島の海岸線は荒く海に削られており、冬には世界で最も南端に接岸する流氷が訪れることでも有名で、「地の果て」という語源の通り、まさしく最果ての手付かずの自然が数多く残されています。
今回は、フレペの滝やカムイワッカ湯の滝などの絶景の滝、知床観光で絶対行きたい「知床八景」についてご案内します。
1.フレペの滝
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知床半島の北岸にあるプユニ岬の崖からオホーツク海へと流れ落ちるのが「フレペの滝」で、世界自然遺産・知床を代表する滝の一つであり、「知床八景」の一つに選ばれています。
この滝には流入河川がないため水量が少なく、知床連山に降った雪や雨が地下水となり、垂直に切り立った高さ約100mの断崖の割れ目から涙の雫(しずく)のように斜面を落ちる様子は、「乙女の涙」という愛称でも呼ばれ、親しまれています。
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周囲はエゾシカの生息地となっており、野生のエゾシカの姿が見られるだけでなく、キビタキ、オオジシギなどの野鳥や、ウミウやオオセグロカモメといった海鳥なども目にできることもあります。
■基本情報
名称:フレペの滝
住所:〒099-4100 北海道斜里郡斜里町
アクセス:JR北海道釧網本線・知床斜里駅より斜里バス「知床自然センター」行き終点下車で約60分、徒歩約20分で展望台。車で道央自動車道旭川北ICから国道40・39・334号経由約283km
2.カムイワッカ湯の滝
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知床半島のほぼ中央にある活火山の硫黄山の中腹から流れ出るカムイワッカ川にかかる標高400m、落差20mの滝で、海岸まで連続している滝は壮観です。
カムイワッカ川には温泉が流入しており、川全体が流れる温泉、連続する滝壺がそれぞれ天然の露天風呂のようになっていて、日本屈指の野湯として人気を集めています。
現在、通称「一の滝」より上流は立入禁止となっており、湯の温度も30度程度とかなりぬるくなっています。温泉の泉質は強酸性の硫黄泉で皮膚への刺激が強く、長時間入浴すると湯あたりを起こすこともあるため、注意が必要です。
流れ落ちるお湯の川を登っていくのは大変気持ちの良いものですが、滑りやすく落石の危険性もあることにも留意しましょう。
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下流には「カムイワッカの滝」という滝もあり、温泉の混ざったカムイワッカ沢の水が直接オホーツク海に落下しています。秘境というに相応しい様相で、陸路から近づくのは困難ですが、ウトロ港から運行されている遊覧船から眺めることができます。
かつて滝のそばで硫黄を採掘していた小屋の跡が現在も残されています。
■基本情報
名称:カムイワッカ湯の滝
住所:〒099-4356 北海道斜里町字岩尾別 知床国立公園内
アクセス:知床斜里駅より斜里バス知床大橋行きで約1時間54分、バス停「カムイワッカ湯の滝」下車、徒歩約30分。車でウトロ温泉街より国道334号、北海道道93号知床公園線を経由し約28km
3.オシンコシンの滝
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斜里町(しゃりちょう)を流れるチャラッセナイ川の河口付近にあるオシンコシンの滝は、日本の滝百選にも数えられている落差約80mの知床半島最大の大瀑(おおたき)です。途中から流れが2つに分かれていることより「双美の滝」とも称されます。
滝の中ほどまで階段で上ることが可能で、岩盤に大きく2つに分岐して豪快かつ優美に流れる滝が目の前に迫るのは圧巻です。雪解けで水量が増す春先は、特に迫力満点。冬には躍動感たっぷりに流れ落ちる姿のまま凍りついた滝の美しさに、息を呑んでしまいます。
滝の上の展望台からはオホーツク海や知床連山の雄大な姿を遠く眺めることができ、冬の流氷の季節には一面白い海原が広がる光景は、感動の一言です。
■基本情報
名称:オシンコシンの滝
住所:〒099-4111 北海道斜里町ウトロ西
アクセス:知床斜里駅より斜里バス知床線で約42分、バス停「オシンコシンの滝」下車、徒歩すぐ。車で旭川紋別自動車道瀬布ICより約177km
4.知床五湖
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斜里町にある一湖から五湖までの名前がついている秘湖、沼を総称して「知床五湖」と呼んでいます。静まり返った中、周囲の原生林や知床連山を湖面に映し出す様は、夢のように幻想的です。
秋には赤く染まったウチワカエデ、ナナカマドなどを水面に映し、紅葉の名所としても知られています。
知床八景の一つに数えられる人気の観光地として、一湖を見下ろす展望台や湖を周遊できる遊歩道が整備されています。
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知床五湖は山間部の野生の植物や動物が豊富な場所にあり、遊歩道ではエゾリスやエゾシカなどを観察することができます。
また、遊歩道付近はヒグマが頻繁に出没するので、2011年度から遊歩道の入場人数制限などが実施されています。ヒグマとの遭遇確率が高くなる5月上旬から7月末の「ヒグマ活動期」は1日300人まで、ガイドツアー申込及びガイドの同行が必須です。
植物の育成を保護するための「植生保護期」となる8月初旬から10月下旬までは、1日3000人までで、ガイドは不要ですが、大人1名につき250円、0歳から小学生までの子供1名につき100円を支払い、レクチャーを受けることが入場条件となります。
■基本情報
名称:知床五湖
住所:〒099-4356 北海道斜里郡斜里町遠音別村 知床五湖
アクセス:知床斜里駅より斜里バス「知床五湖」行きで約1時間15分、終点下車、徒歩すぐ。車で斜里町あるいは羅臼町より国道334号、北海道道93号知床公園線経由
5.知床峠
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斜里町ウトロと羅臼町(らうすちょう)を結ぶ国道334号の通称「知床横断道路」の頂上にある標高738mの峠です。
知床連山の尾根筋にあたり、羅臼岳(らうすだけ)やハイマツの樹海、天候が良ければ、北方領土の国後島(くなしりとう)を一望でき、素晴らしい雲海を眺められます。7月下旬でも見られる残雪に、秋の紅葉も名高く、例年9月下旬から10月上旬にかけて羅臼岳の紅葉が見頃となります。
ドライブコースとしても人気があり、知床峠の頂上部より羅臼側標高650m地点は見返り峠と呼ばれ、ヘアピンカーブが続いています。付近には駐車場や展望台があり、絶好のビューポイントとして評判です。
オジロワシ、オオワシなどの国の天然記念物に指定されている野鳥や、アザラシ、トド、ヒグマなども生息しており、貴重な姿を見ることができるかもしれません。
■基本情報
名称:知床峠
住所:〒099-4356 北海道斜里郡斜里町遠音別村 知床峠
アクセス:JR北海道根室本線・釧路駅より阿寒バス標津経由羅臼行きで約3時間20分、「羅臼営業所」バス停下車、斜里バス・阿寒バスウトロ行きに乗換約25分、バス停「知床峠」下車、徒歩すぐ。車で根室中標津空港より国道272・335号経由約1時間40分
6.オロンコ岩
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斜里町ウトロ港近くにある高さ約60mの巨岩で、先住民族「オロッコ族」から名付けられ、アイヌ語で「そこに座っている岩」という意味の由来もあるそうです。この岩に住んでいたオロッコ族とアイヌの激戦は、知床半島の伝説になっているのだとか。
170段以上もある急な石段を上がっていくと、岩の上部が平坦になっていて、岩礁が透けて見えるほど青く澄んだオホーツク海や、ウトロの町並み、知床連山などの360度の眺望は言葉を失うほど。
岩の頂上には、エゾカンゾウなどの美しい高山植物が咲き乱れてます。
■基本情報
名称:オロンコ岩
住所:〒099-4355 北海道斜里郡斜里町ウトロ東
アクセス:知床斜里駅より斜里バス知床線で約50分、バス停「ウトロ温泉バスターミナル」下車、徒歩約5分。車で瀬布ICより約197km
7.プユニ岬
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知床半島北岸のウトロ港から東3.5kmのオホーツク海に面した岬で、プユニとはアイヌ語で「穴のある場所」を意味するのだそう。
オホーツク海の流氷の最初の接岸地、夕陽が美しい名所として有名で、奇岩が続くウトロ海岸とオロンコ岩、ウトロ港全体を見渡すことができます。晴れた日には遥か遠くの阿寒摩周国立公園の山々が、夜にはウトロ港を出入りする船舶の灯りが瞬く夜景も望めます。
プユニ岬には標識があるだけで駐車場や展望台はなく、国道344号線からプユニ岬に向かう途中の見晴橋の脇道に車を駐めて眺めることになります。田舎道で目印を見つけにくいため、カーナビゲーションを見てもわかりづらい場合は、地元の方に早めに尋ねることをおすすめします。
■基本情報
名称:プユニ岬
住所:〒099-4356 北海道斜里郡斜里町岩尾別
アクセス:知床斜里駅より斜里バス「知床自然センター」行き終点下車で約60分、徒歩約15分。車でウトロより国道334号、道道93号経由。
8.夕陽台
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ウトロの市街地から約1kmの高台にある公営キャンプ場「国設知床野営場」に隣接しており、名前の通り、美しい夕陽が眺められることで、デートスポットとしても人気です。
大海原の地平線に真っ赤な夕陽が照り映える春から秋、流氷に覆われた海一面が夕陽で黄金色に輝く冬と、四季を通じて変化に富んだ眺望が楽しめます。野営場内では草をはむエゾシカなどの姿も。
近くには夏のみ営業の町営の天然温泉施設「ウトロ温泉夕陽台の湯」があり、こじんまりとした露天風呂や内湯で疲れを癒やすことができます。
■基本情報
名称:夕陽台
住所:〒099-4351 北海道斜里郡斜里町ウトロ香川
アクセス:知床斜里駅より斜里バス知床線で約50分、バス停「ウトロ温泉バスターミナル」下車、徒歩約15分。斜里市街地より国道334号線経由
フレペの滝や知床五湖のトレッキング、スノーシューツアーで大自然を堪能しよう
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今回ご紹介した知床八景をベテランガイドに同行してもらい、解説してもらいながら楽しむ各種ネイチャーウォッチングツアーもあります。ツアーでは、時期によっては立ち入ることのできない自然豊かなエリアに入って、大自然や野生の動物などを観察することができます。
アウトドアレジャー予約サイト「そとあそび」では、フレペの滝や知床五湖付近をトレッキングするツアーや、知床でしか体験できない冬の流氷ウォークが楽しめるスノーシューのツアーなど、知床のアウトドア・アクティビティの情報を詳しく掲載しております。
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